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キャベツ炒めに捧ぐ|井上荒野

短編集によく登場していて気になっていた井上荒野さん。初めて本を読んでみました。

キャベツ炒めに捧ぐ

キャベツ炒めに捧ぐ

  • 作者:井上 荒野
  • 発売日: 2011/09/01
  • メディア: 単行本
 

こちらも、短編集と言えば短編集。「ここ家」という惣菜屋に努める60代女性3人を描いた小説で、章ごとに主人公が替わっていきます。

ここで、ふと感じる「リアリティ」「想像力」の問題。

60代、まぁ元気な60代なんですが、イマイチ具体的にイメージできない。身近なところでは、同じ会社の60歳前後の女性・・・確かに私の想像する60代とは正直全然違う。姿勢もいいし、おしゃれでスマート。一方で自分の母親や義理の母親を思い出すと、2人とも働いていなくて白髪を気にしていないからか、私の想像する60代に近い感じ。

ということで、どんな感じを想像すればいいんだ?と少し悩みながら読んでいました。最終的には原田美枝子さんを想像していたかな。まぁ年齢的も妥当なところかと思います。

60代といっても、私の中では40代、50代と変わらない、むしろ「青春」な日常を送っている登場人物たち。だから、想像できなかったというのもあるでしょうか。惣菜屋という時間の決まった仕事をしながらも、何だか自由な感じはうらやましい。こういう年齢を感じさせない毎日というのを、過ごせるようになってみたいものです。