sora fuku kaze

読んだ本やホークスの話、その他日々の出来事について

ライオンのおやつ|小川糸

タイトルも表紙もよく見かけていて、ただ、ずっと「ライオンのおやつ・・・?」という気持ちが拭えなかった本(笑)。
読んで、ようやく意味が分かりました。

「ライオン」というのは施設の名前(正確には「ライオンの家」)で、人生の最期を迎える人が集まる場所。で、その「ライオンの家」には入居者の思い出のおやつを出してくれる時間がある、だから「ライオンのおやつ」というわけですね。

小川糸さんは、原作は読んだことがないけど『食堂かたつむり』のイメージですかね。ということで、おやつも含め、食べ物がおいしそうに描かれています。

主人公は余命宣告された33歳の女性。瀬戸内海の島にある「ライオンの家」を訪れる、ということで、瀬戸内の様子も魅力的に描かれていたりします。と、瀬戸内出身の相方に伝えたら、「すごくデフォルメされている感じがする」と言っていましたが(笑)。穏やかで過ごしやすい気候ということなんだからいいじゃないか、と個人的には思っています。

歳を重ねてくると、本当に生きられる時間って人によって違うんだなと実感しますが、「死」をテーマにしながらも悲しさや深刻さを感じさせないというか。人生の最期も明るく前向きに描いている作品だなと思いました。