sora fuku kaze

読んだ本やホークスの話、その他日々の出来事について

図書館の神様|瀬尾まいこ

国語の講師を主人公にした小説。瀬尾まいこさん自身も中学校の教師だったので、その体験も反映されているのかしら、なんて思いつつ、読み始めました。

そうしたら、いきなりの重いエピソード。この後どんな展開が待っているのだろう、と心配してしまいました。

舞台になっているのは高校の文芸部。とあることが原因でバレーボールをやめた主人公が、バレーボール部の顧問になりたくて講師になったのに、文芸部の顧問になってしまうという話。
冒頭のエピソードとは対照的に、全体的に穏やかな雰囲気で展開されていきます。

部員はただ一人、3年生の垣内君。この垣内君との関係がいいんですよね。
何がいいんだろうと思ったんですが、すべてを言わないのに心が通じ合っている感じ。深くつながっているようで、実際は表面的な感じ(いい意味で)。そんなところでしょうか。

そんな垣内君とのほのぼのとした関係を中心に描かれたストーリーは、垣内君が卒業するところで終わります。
包み隠さず本音を伝えて築く人間関係というのもあるのでしょうが、こういう信頼関係というのもありだな、と思ったのでした。