2017年の本屋大賞にもノミネートされていました。あ、直木賞もですか。
昨年、文庫化されたので読んでみました。
いや~、ファンタジーですね。不思議で、ちょっと心がモヤモヤする感じ(笑)。
ただ、全部で5章あって、それぞれ尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡、鞍馬が描かれているのですが、国内旅行好きな私としては、すごくありありと情景が思い起こされるというか。自分がその地に降り立っているような気持ちにさせられました。
その地に行ったことのある、尾道、奥飛騨は特にそうでしたし、見たことのない情景でも、そういう場所見たことあるかも、と思わせる感じですね。
で、読み終わったときは、モヤモヤ感でしたが、特典でついてきたポストカードの森見さんのコメントを見たら、作品の意図が垣間見れた気がしました。
少し引用すると、
- …あたかも夜行列車のような読み心地の小説を書いてみようと考えた…
- …「あけぼの」も「サンライズ」も曙光を意味する。(注:夜行列車の名前)
- …最後のページまで読み進めたとき、車窓を仄かに染めていく朝の光を感じてもらえるなら、作者としてはたいへんに嬉しいのである。
「夜行」と言いつつ、「曙光」を感じてほしかったんでしょうか。言われてみると、分かる気がする。ただ・・・なかなか味わえない世界、本当に不思議な物語でした。