sora fuku kaze

読んだ本やホークスの話、その他日々の出来事について

今日も一日きみを見てた|角田光代

角田さんがご自身の飼っている猫、トトについて書いたエッセイ。

今日も一日きみを見てた (角川文庫)

今日も一日きみを見てた (角川文庫)

 

私自身は、これまでマンション・アパート暮らしが多かったこともあって、ペットは飼ったことはなく。ただ、「犬か猫と言われれば猫」というくらい猫には興味というか、憧れはあって。

何といってもあの生き様

猫のように暮らしたいと思ったことが、何度あったことか。
そして、このエッセイを読んで、その思いは確信に変わる(苦笑)。

と言っても、自分自身が猫のように暮らすことは現実的には難しいわけで。でも、このエッセイを読んで、それまであまり思い描けなかった「猫を飼う」というのもいいかもしれない、と思えるくらい、それくらいトトとの毎日が魅力的に描かれていました。「猫を飼っている人は、世界中の猫を好きになる」とはよく分かる―私も、猫は飼っていないけど、トトのことが好きになりましたから。

もう一つ、タイミング的に刺さってしまったのは、最後の「猫がきた理由」。人間というのは、いろんな息抜きをしながらバランスをとって生きているのだな、心に多少異変があっても(角田さんは「すさんでいた」とのことですが)、意外と普通の日々を送れてしまうものかもしれないな、そんなことを感じました。
「あのとき、あなた、やばかった」と言えてしまうのは、西原理恵子さんのキャラクターのなせる業なのか、逆に少し関係が薄い方が「いつも」を知らない分、言いやすいのか・・・いろいろと考えてしまいました。