sora fuku kaze

読んだ本やホークスの話、その他日々の出来事について

よなかの散歩|角田光代

さて、またまた角田さんのエッセイです。

同じような本ばかり読むのはよくないのかな、と思いつつ、ここまで来たら早くすべての作品を読んでしまおう、と思っています。

よなかの散歩 (新潮文庫)

よなかの散歩 (新潮文庫)

  • 作者:角田 光代
  • 発売日: 2014/02/28
  • メディア: 文庫
 

オレンジページに連載されたエッセイで、角田さんはおそらく40歳前後。たぶん、この頃のエッセイ、他にも読んだことがあるのでしょう。聞いたことのある話も多かったですが、雑誌の連載ということもあってか、全体的にライトで読みやすい感じがしました。まぁ、他のエッセイとの違いということで。

で、聞いたことのある話も多かったのですが、世代が同じくらいだからか、妙に共感する話も多かった気がします。気に入った何年も愛用している服があって、それと同じような服を買いたいのだけど、もう世の中には売っていない、とか。私も、新しい服を買っても、「少し着古してきたし、いいかな」と昔から持っている服より先に捨ててしまうことがあります。これは、結構世の中に出回っている服だから。一方で古い服は、「後釜」が見つけられなくて捨てられなくて、結局今に至ってしまっているということが多いと思います。

ちょっとウケてしまったのが、うちの相方みたいだな、と思うエピソードがいくつかあったこと。まず、家計簿をただのメモとしてつけていて、お金は貯まっていないのだけど、「だれと何を食べたか」のメモがおもしろい、という話。まさにうちの相方も、家計簿をただのメモとしてつけているのですが、その日食べたものもメモしていて。結構、「何を食べたか」でどんな1日を送ったのかが分かるものなんですよね。この日はどこどこに出かけた日だ、とか、昼頃まで寝てたから朝ご飯がないや、とか、疲れて帰ってきて夜ご飯が適当なのね、とか。私もときどき楽しませてもらっているので、「その家計簿意味ある?」と思いつつ、温かく見守ることにしています。

あと、朝食バイキングが好きなのだが、結局普段食べているものと同じものを取っていることに気づいた、という話。そこで思い出すのは、ハムが2種類、ソーセージが2種類、卵料理が2種類という感じのバイキングに出くわしたときの話。うちの朝ご飯は相方が作っているのですが、相方はいつもと同じような方を取って、私は「いつもと趣向を変えたい」と見事に違う方を取りました。同じバイキングなのに、まぁ皿の中身の違うこと。きっと、彼は真に食べたいものをいつも朝ご飯に出してくれているのでしょう。その嗜好の一貫性というのもすごいものだな、と感心させられました。

ということで、半分くらい相方の話になってしまいましたが、そんな感じで、とても共感させられることの多いエッセイでした。