世田谷代田の古いアパート「木暮荘」を舞台に、住人たちやそれを取り巻く人たちについて描いた作品。
1本目の『シンプリーヘブン』はそうでもなかったのですが、「性」をテーマにした作品が多く。これはこの作品だけなのか?と思いながら読み進めていったら、最後までその流れで行ってしまいました。
どの作品だったか忘れてしまいましたが、この『木暮荘物語』ではなく、同じように「性」を描いている作品を読んだときか、「あれ?三浦しをんって女性だよね?」と確認したくなったことがあって。男性だったらどう描くというのもよく分かりませんが、他の女性作家にはない描き方をする方だなぁと思ったんですよね。この作品を読んでさらにその思いを強くした気がします。どこがどう、というのは割愛しますが・・・。
壁の薄いおんぼろアパートには、今やなかなか住もうとは思えませんが、決して広くない部屋での一人暮らしとか、あれはあれで楽しかったなぁと。この本の感想としては全くおかしいんですが(!)、もっと楽しんでおけばよかったなぁ、なんて思ってしまいました。
あ、最後から2本目の『ピース』。「光子」が主人公なんですが、やっぱり名前でイメージするものってあるんですね。「え?あなたが光子ですか!?」と思わず二度見(二度読み?)してしまいました。見事に作者の罠にはめられたなと思います。