sora fuku kaze

読んだ本やホークスの話、その他日々の出来事について

ときどき旅に出るカフェ|近藤史恵

久しぶりの食べ物系。

近藤史恵さんは初めて読みましたが、作品リストを見ると、あれ?もしかして推理小説家?・・・それはとても納得です。

カフェを舞台にした小説ですが、主人公はお客さん側。しかも、カフェを中心に回るかと思いきや、主人公の日常にさりげなくカフェが入ってくる感じ。カフェの店長は主人公の元同僚なんですが、もともと関係が深かったわけでもなく、なので、あくまでも一常連さんであっさりとした関係。短編の一話完結ものなんですが、日常のいろいろな出来事とカフェが絡んでいくので、ワンパターンにならないというか、何話読んでも飽きませんでしたね。

各話共通なのが、カフェの新しいドリンクやスイーツが紹介されるところですが、加えて、主人公の身の回りの謎が取り上げられる。謎と言っても「あの人、嘘ついてるんじゃない?」といった日常的によくある謎。で、店長との何気ない会話も絡めながら、その謎が一件落着を迎える、という。カフェと言いながら、興味深い展開だな、と思っていたら、もともとそういう小説を書かれていたんですね〜。納得です。推理小説家書いているんだ~、と知ったのは途中だったんですが、読み進めていったら、最後はなるほど!という終わり方でした。

しかし、このカフェ、月の始めはお休みで、その間、タイトルのとおり、世界中を旅をして食材を調達したり、新メニューを開発したりというお店。そんな生活、何ともうらやましい限りです。