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この世にたやすい仕事はない|津村記久子

「この世にたやすい仕事はない」・・・文字通り読むとシリアスな感じがする、けどそんな話じゃないんだろうな、と思って読み始めたら、案の定ではありました。気楽に読める感じ。まぁ、そういう意味では期待通りです。

訳あって仕事を辞めた主人公が、いろいろな仕事を経験していくという物語。第1話が終わったとき、同じ主人公が2話目も行くのか?違う人が主人公になるのか?と考えてワクワクもしたんですが、結果は前者。同じ主人公が5つの職場を経験する展開になっています。

タイトルの意味としては、この主人公が就くのが何ともクセのある仕事で。他人を見張るとか、バスのアナウンスを考えるとか、一見そこまで大変でなさそうなのに、いろいろ裏があったりして、本当に「たやすい仕事はない」と心から言いたくなるようなストーリーになっています。

正直、クセがありすぎるからなのか、各話で新しい仕事や新しい登場人物が出てくるからなのか、話の面白さの割に、読むのに時間がかかった気がします。時間がかかる本って、難しかったり面白くなかったり・・・この本の場合、強いて言うなら前者なのかもしれませんが、そこまで難解ではないですからね。思いのほか、時間がかかってしまったという感じです。

読み終わった後、ブックカバーを外して帯を見たら、伊坂幸太郎さんが「ガリバー旅行記」と評していて、すごく分かる!と思ってしまいました。そう、私の感想はそれです、ガリバー旅行記みたいな話だと思いました(笑)。