sora fuku kaze

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ののはな通信|三浦しをん

三浦しをんさん。少し久しぶりでしょうか?

タイトルのとおり、「のの」と「はな」の手紙のやりとりで進んでいくストーリー。女の子同士の恋愛があるらしい、ということだけ事前に知ったうえで、読み始めました。

最初は、結構分厚いのに、このまま女子高生の手紙のやりとりだけで話が進むのか?正直キツいぞ、と思いましたが。ちゃんと章が分かれていて、大学生になってからが二章、その後が三章・・・という形になっていました。高校時代が昭和、大学時代に昭和から平成になって、ということで、一応時代にも合わせた感じになっていましたね。(ここは、私は事前に知らなかったので詳しく書かないようにしよう・・・)

しかし、この手紙のやりとりだけでストーリーを進めるという手法、本当に感心しますね。手紙なので、届くまでの時差もあって。加えて、高校時代には授業中に回すメモもある。書いた順ではなく、読んだ順で話は進んでいく感じでしたけど、よくやるなぁと思いました。どういう手順で考えているんだろう。。
あと、ちゃんとそれぞれのキャラを残しつつ、言葉遣いとか歳を重ねていくんですよね〜。手紙を読んでいるだけで、状景が思い浮かぶようにしているのもすごいなと。

ストーリーは、女の子の友情として分かるような部分も多く。ブランクがあっても積もる話で会話(手紙)が止まらない感じとか。
あと、あらすじだけ聞くと、女の子同士の恋愛というテーマに目が行ってしまいがちですが、女の子から女性への成長ストーリーというか、最後登場する二人は40代なんですが、同じくらいの年齢になった私からすると、高校、大学、社会人の環境や心境の変化など、共感できる部分も多いなと。

正直、最初はついていくのがやっとという部分もありましたが、最後、辻村深月さんの解説も読んで、作品に込められたテーマがよく分かった気がしました。本当に分厚くて長かったけれど、この長さも必要な要素だったんだな、と思います。