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データ管理は私たちを幸福にするか?~自己追跡(セルフトラッキング)の倫理学~|堀内進之介

何だかイマドキな感じがしたので、手に取ってみました。

テーマはタイトルのとおり。データ管理は人間を幸福にするのか?について書いていますが、サブタイトルにもあるとおり、倫理的な観点から書いている本です。

まず、人間とは分かっていてもできないダメな生き物である、というところから入ります。

こういう考えって、ようやく最近言われるようになった印象です。ヒトは変化を恐れる生き物であるとかもそうですけど、昔は何でもできないと性格とか能力のせいにされていたような・・・。研究が進んだのか、情報が広まったのか分かりませんが、考え方も変わっていくものだなぁと思います。

そんな身近な話から入りつつ、データ管理の功罪について書かれています。
これ以上書くと、本の中身そのものになりそうですが、「自律性が失われるんじゃないか」「いや使い方次第だよ」みたいなそんな感じでしょうか。倫理学なので、もう少し固い感じではありましたけどね。

この本のあとがきがまた面白くて。「共著者」として著者のデータを管理した機器が出てくる。本を書いている間に走った距離、その間の体重の増減、それを管理したアプリ・・・。確かに最近のApple WatchのCMもそうですが、「昨日より遅れてるぞ」とか、もう相棒に近い感じかもしれませんね。

スマートウォッチの普及もまだこれからという感じだと思いますが、スマホのようにみんなが持つようになってきたら、この本のような議論も盛り上がってきたりするのでしょうか。